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[最終報告]モジョ 理数科教師

「魚をあげる」でも「釣り方を教える」でもなく、 「何としても魚を釣りたい」という気持ちと、魚を釣り上げるために「試行錯誤するモチベーション」の共有にこそ活動の本質が


「何か実地の仕事において一定の目的を達するのに最善の方法を考究していると、予期しなかった事がきわめてしばしばあらわれてくるというのは驚くべきことです。」(ファラデー「ロウソクの科学」)

という気持ちをこの2年間の活動の中で感じさせていただけたことは感激です。

エチオピアでは日本では作ったことがないものを多く手掛ける機会に恵まれました。地球儀・化学実験用三脚・試験管バサミ・テスター等々。何とかして作って見てやろうと思い続ける中で思いもしなかったアイデアが閃く瞬間、試行錯誤している中で素材の性質が手に取るように見えてくる瞬間があることが驚きでした。

こういう気持ちを持つことができたのも、エチオピアの人々との交流のおかげです。日本のモノづくりの原点が今の日本では失われかけています。エチオピアでは手づくりの実験道具を見て、自分もつくって見ようとする生徒が大くいます。モノがないだけにその環境をバネにして大きく育ちうる可能性をエチオピアは秘めています。エチオピアの未来をつくるのはこの子どもたちだと感じとれる瞬間です。


このおかげで、うまくことが運ばない時、実験道具をつくって見たがイマイチ状態の時、一見「苦労」しているともとれるのですが、その時が、宝がザクザク埋まっている所に近づいているとも感じながら仕事ができたと思っています。


活動を終えるにあたって、理数科先輩隊員が最終報告書の中で書かれていた「長期ビジョンをみんなで共有して欲しい」というメッセージに応えて、私が考えているエチオピアでの理数科教育改善にむけた長期ビジョンを、次の4点にまとめました。

長 期 ビ ジ ョ ン
①「下からの手弁当の地域理数科サークル」を根付かせる
この可能性は、すでに見え始めています。理数科セミナーを協同した同僚のエチオピアの人たちがその動きを始めてくれています。なかなか教育局等から予算が出ないという課題を克服するには、理科教育を支える、小さな市単位(エチオピアではWoreda単位、日本の区にあたるもの)の無数の理科サークル(授業のない土日や休業期間中に手弁当で有志が集まり、参加者がお互いにワークショップの中で議論し合うサークル)が必要。 理数科ボランティアの配属先を含むWoredaでの理数科セミナーを共に担うエチオピア理数科教員とともに、単発ではなく継続させていく。

②モチベーションの高いエチオピア人のネットワークづくり
 隊員の任期は2年間だが、下からの手弁当地域サークルづくりを手掛ける力量を持ったエチオピア人同士のネットワークを理数科隊員チームとして、専門家SMASEE(理数科教育改善プロジェクト)・JICA事務所と連携しながら、長期に亘ってサポートしていく体制の確立。 隊員の任期終了やで転勤による配属先の変更で関係が切れることがないようにすることが必要。具体的には、セミナーに協同するデモンストレーターとして意識的に参加してもらう(参加にあたって教育局・配属先等からの勤務上の配慮をお願いする)。
 活動結果はモノではなく「何としても魚を釣りたい」という気持ちと「試行錯誤するモチベーション」の共有である。その心を共有できたエチオピア理数科教員のネットワークをこそ大事に残していくことこそ、活動したことが継承・発展されていく道である。

③セミナーの質の改善
 セミナーの質改善は、下からの手弁当地域サークルづくりを根付かせるための必要条件の1つ。参加者1人ひとりが主人公になった意見交換が激しく飛び交うワークショップにしていくことで継続的なセミナー開催の道筋が開けてくる。議論し合った部分をより高めるための、また、出された新しいアイデアを検証するための次回セミナーの開催に結び付けていく。

④教育機関と連携したセミナー開催
 アムハラ州・オロミア州・アジスアベバ特別市の教育機関と連携したセミナーを、継続させる。この形態のセミナーは年に何回も同じ科目で継続させることは財政的に難しい。しかし、理数科ボランティアチームとしての協同の場として有効であるとともに、デモンストレーターになる同僚や参加エチオピア理数科教員のモチベーションを高める意味でも非常に有効。
 その際、ボランティア個人としてはこの時がチャンスと内容を盛りだくさんにしてしまう悪しき傾向がこれまであったが、セミナーの質改善に留意し取組みをすすめる。


最後に、2年間の活動が充実したものになったのも、教育関係専門家プロジェクトに方々との連携や、それを支援していただいたJICA事務所のみなさまのおかげです。それによって、理数科ボランティアの活動の幅が広がる場面を持たせていただくことができました。
また、一人では到底できない活動を協同・支援いただいた仲間のみなさんや、ビジョンを考えるための意見交換に付き合っていただいた多くの方々に感謝いたします。
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by jocvethiopia | 2012-07-05 18:00 | 活動


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