タグ:22年度隊 ( 23 ) タグの人気記事

現地教員が自ら開催するセミナーを

首都で体育隊員として活動を始めて2年がたちました。
ここでの私の活動は、

高校での体育の指導
陸上部の指導
同職種の隊員とともに開催する『体育セミナー』

時間があれば色々な施設へ行って子供たちとスポーツなどをしたりもしています。

その中でも私は、『体育セミナーの開催』には多くの時間と労力を費やしています。
というのも『体育セミナー』は5年前の先輩隊員たちが始め、そのバトンを引き継いでの活動です。また、個人の活動ではなく首都アジスアベバ体育隊員みんなで作り上げてきている活動なのでみんな一生懸命です。

今年は『現地教員が自ら開催するセミナー』を目標に挙げており、例年以上にエチオピア人の教員や教育局の方々の協力を得ながらの活動となっています。

この7月から9月の雨季休みの間に計画をたて準備を進めていくつもりでしたが予想以上に時間がかかり思ったようには進みませんでした。
というのも、エチオピア人と協働することで我々日本人との語学や文化、考え方の違いから何をするのにも時間がかかってしまうからです。

ミーティングの約束を延期されることが多くあります。
ミーティング中でもこちらの思惑とは違う方向に進んでしまうこともあります。
日本人ボランティアだけで開催した方が簡単だと思うことは多々あります。

ただ、それを受け入れて、それを考慮したうえで協働することに価値があるのではないかと私は考えます。
エチオピアの文化や人々、ニーズに合ったセミナーを開催するにはエチオピア人が主となって開催するほかは無いと思っています。

エチオピア人との協働は不可欠なのです。

この雨季休み中、何度も行ったミーティングのおかげでゆっくりとではあるけれど確実に『現地教員自らが開催するセミナー』開催に向け歩みを進めています。

体育セミナーを通し、エチオピアの先生方にスキルアップや教育について考えてもらえたら、また今後日本人ボランティアの手を離れ『エチオピア人によるエチオピア人の為の体育セミナー』を開催してもらえたらと考えています。
a0223909_2336082.jpg

a0223909_23362738.jpg
a0223909_23371219.jpg

[PR]
by jocvethiopia | 2012-09-28 12:00 | 活動

「2年」

 2010年の11月から2012年9月まで約2年エチオピアで理数科教師として活動した。

 最初の半年は苦労した。この国の体質と言うか流れが苦手だった。約束が守られない、考え方の違い言葉の壁。エチオピア人が大嫌いになっていた。

 現地語のアムハラ語をしゃべる事を極力避けた。常に英語で話していた。最低な隊員だった気がする。

 でもこんな状況から抜け出せたのもエチオピア人のおかげだった。

 ある日いつものように理科室で実験の道具を作っていると、グレード1(小学校1年)の生徒が二人理科室に来た。彼らはまだ英語は話せない。授業では勉強しているが日常会話までは全く不可能だった。そんな彼らは当然アムハラ語で話しかけてくる。

 当時アムハラ語を聞くのも嫌だった私は、「アムハラ語は喋れない」と言って追い返していた。だが来る日も来る日も二人は理科室に来て色々話しかけてくる。そんな日が続いていた時、赴任当時の気持ちを思い出した。

「子どもと楽しく実験したい!!」

 それからは、できる限りアムハラ語を話すことを心がけた。この時から活動も軌道に乗り出した。同僚の先生と一緒に小さなサイエンスクラブを作り、生徒とマンツーマンで実験して、アムハラ語バージョンまでできるようになった。

a0223909_1121319.jpg


 一年目が終わり、先輩隊員は続々と帰国していく。理数科チームとしての活動の中心に自分がならなくなってきた。それまでは先輩隊員の後を追っかけるだけだった自分が連携の中心になった。プレッシャーだった。

 先輩の活動結果は明らかにレベルが高い。このレベルを維持することができるのか?

 結果は…なんとか維持できたとしたい(笑)
 教育局から実験ショーの予算をもらう事が出来た。今までにない事であった。そして後輩隊員一人の協力を得て二人だけで教員対象のサイエンスセミナーも行うこともできた。来年の予算を組んでもらうこともできた。この成功は決して自分だけで得たものではない。

 僕のこの2年の活躍は中継ぎだった。先輩から受け継ぎ後輩に引き継ぐ。先輩たちが残していったものをいかにレベルを下げずに後輩に引き継ぐか。そしてさらにより良い方向へと持っていくか。これがこの2年間の活動だったと思う。

a0223909_1125024.jpg


 任地の学校は自分が初代の隊員と言うことで0からのスタートだった。理科室のような部屋を作り、手作り実験道具を教員に紹介して授業で使ってもらう。このような事を繰り返し行った。結果、ある先生は自分で実験道具を作り授業で使うようになった。また他の先生は地元の実験コンテストで一位を獲得した。実験の有効性を示せたと思う。これから後任が来るのでもっと基礎的なことから挑戦してほしい。そしていつか隊員がいらなくなる日が来てほしい。
a0223909_1132142.jpg

[PR]
by jocvethiopia | 2012-09-21 12:00 | 活動

[最終報告]モジョ 理数科教師

「魚をあげる」でも「釣り方を教える」でもなく、 「何としても魚を釣りたい」という気持ちと、魚を釣り上げるために「試行錯誤するモチベーション」の共有にこそ活動の本質が


「何か実地の仕事において一定の目的を達するのに最善の方法を考究していると、予期しなかった事がきわめてしばしばあらわれてくるというのは驚くべきことです。」(ファラデー「ロウソクの科学」)

という気持ちをこの2年間の活動の中で感じさせていただけたことは感激です。

エチオピアでは日本では作ったことがないものを多く手掛ける機会に恵まれました。地球儀・化学実験用三脚・試験管バサミ・テスター等々。何とかして作って見てやろうと思い続ける中で思いもしなかったアイデアが閃く瞬間、試行錯誤している中で素材の性質が手に取るように見えてくる瞬間があることが驚きでした。

こういう気持ちを持つことができたのも、エチオピアの人々との交流のおかげです。日本のモノづくりの原点が今の日本では失われかけています。エチオピアでは手づくりの実験道具を見て、自分もつくって見ようとする生徒が大くいます。モノがないだけにその環境をバネにして大きく育ちうる可能性をエチオピアは秘めています。エチオピアの未来をつくるのはこの子どもたちだと感じとれる瞬間です。


このおかげで、うまくことが運ばない時、実験道具をつくって見たがイマイチ状態の時、一見「苦労」しているともとれるのですが、その時が、宝がザクザク埋まっている所に近づいているとも感じながら仕事ができたと思っています。


活動を終えるにあたって、理数科先輩隊員が最終報告書の中で書かれていた「長期ビジョンをみんなで共有して欲しい」というメッセージに応えて、私が考えているエチオピアでの理数科教育改善にむけた長期ビジョンを、次の4点にまとめました。

長 期 ビ ジ ョ ン
①「下からの手弁当の地域理数科サークル」を根付かせる
この可能性は、すでに見え始めています。理数科セミナーを協同した同僚のエチオピアの人たちがその動きを始めてくれています。なかなか教育局等から予算が出ないという課題を克服するには、理科教育を支える、小さな市単位(エチオピアではWoreda単位、日本の区にあたるもの)の無数の理科サークル(授業のない土日や休業期間中に手弁当で有志が集まり、参加者がお互いにワークショップの中で議論し合うサークル)が必要。 理数科ボランティアの配属先を含むWoredaでの理数科セミナーを共に担うエチオピア理数科教員とともに、単発ではなく継続させていく。

②モチベーションの高いエチオピア人のネットワークづくり
 隊員の任期は2年間だが、下からの手弁当地域サークルづくりを手掛ける力量を持ったエチオピア人同士のネットワークを理数科隊員チームとして、専門家SMASEE(理数科教育改善プロジェクト)・JICA事務所と連携しながら、長期に亘ってサポートしていく体制の確立。 隊員の任期終了やで転勤による配属先の変更で関係が切れることがないようにすることが必要。具体的には、セミナーに協同するデモンストレーターとして意識的に参加してもらう(参加にあたって教育局・配属先等からの勤務上の配慮をお願いする)。
 活動結果はモノではなく「何としても魚を釣りたい」という気持ちと「試行錯誤するモチベーション」の共有である。その心を共有できたエチオピア理数科教員のネットワークをこそ大事に残していくことこそ、活動したことが継承・発展されていく道である。

③セミナーの質の改善
 セミナーの質改善は、下からの手弁当地域サークルづくりを根付かせるための必要条件の1つ。参加者1人ひとりが主人公になった意見交換が激しく飛び交うワークショップにしていくことで継続的なセミナー開催の道筋が開けてくる。議論し合った部分をより高めるための、また、出された新しいアイデアを検証するための次回セミナーの開催に結び付けていく。

④教育機関と連携したセミナー開催
 アムハラ州・オロミア州・アジスアベバ特別市の教育機関と連携したセミナーを、継続させる。この形態のセミナーは年に何回も同じ科目で継続させることは財政的に難しい。しかし、理数科ボランティアチームとしての協同の場として有効であるとともに、デモンストレーターになる同僚や参加エチオピア理数科教員のモチベーションを高める意味でも非常に有効。
 その際、ボランティア個人としてはこの時がチャンスと内容を盛りだくさんにしてしまう悪しき傾向がこれまであったが、セミナーの質改善に留意し取組みをすすめる。


最後に、2年間の活動が充実したものになったのも、教育関係専門家プロジェクトに方々との連携や、それを支援していただいたJICA事務所のみなさまのおかげです。それによって、理数科ボランティアの活動の幅が広がる場面を持たせていただくことができました。
また、一人では到底できない活動を協同・支援いただいた仲間のみなさんや、ビジョンを考えるための意見交換に付き合っていただいた多くの方々に感謝いたします。
a0223909_1644931.jpg

[PR]
by jocvethiopia | 2012-07-05 18:00 | 活動

「学ぶ」は「真似ぶ」

「ゲンタ!今日も夕方17時から練習があるんだ!今日も来てくれるの?」

活動期間が終わろうとしてるある日の朝、幼稚園に通う7歳の少年からの一言。

私は2年間、青年海外協力隊としてエチオピアのドルベテという小さな田舎町で体育隊員として活動してきた。
体育隊員として配属先であるドルベテ中・高校で活動が始まってすぐに、同僚体育教師に言われた一言が今でも鮮明に残っている。

「ゲンタ、お前は何のためにこの学校に来たんだ?目的は何だ?」

返答に困った。

「JICAボランティアとして、体育・スポーツを通じて私たちが教えられる技術や考え方などを伝え、エチオピアのスポーツ・教育発展に貢献する」


「本当にそうだろうか?」


この疑問が頭からいつも離れなかった。
学校では全く頼りにされていなかったし、必要とされていなかった。
英語もアムハラ後もろくにできないいきなり来たアジア人をすぐに信用するわけがなかったのだ。

2年間ずっと「ボランティアとは何か?」と考えていた。
必要とされる人間にならなければいけない。
求められたい。

それらの気持ちとともにありとあらゆることをやっていた。

その答えが「サッカー」だった。

高校サッカー部を1年目に創設し、「サッカーを教えて、サッカーで教える、そしてサッカーから学ぶ」というモットーで指導をしてきた。

2年目には私の考えやサッカー練習メニューを熟知したサッカー部の生徒たちを小学生年代の指導者にし、サッカーチームを普及させていくプロジェクトを開始した。


「セルJr.プロジェクト」


さらに小学生チームの中から3人のコーチが誕生し、3つの小学生低学年チームが結成された。
プロジェクトを促進させたのは、ある一人の高校生。
彼は私が言うまでもなく、小学生低学年のチームを指導するコーチを養成し、3つのチームでリーグ戦を開催するなど、エチオピアの田舎町でのサッカー普及に大きく貢献していた。

子どもたちは「真似」をすることによって「学んでいた」のだ。

「学ぶ」は「真似ぶ」

結果的にこの2年間でドルベテという小さな町に1つの高校生チーム、4つの小学生高学年チーム、そして3つの小学生低学年チームが誕生した。
「セルJr.プロジェクト」の成果と言えるだろう。

これらのチームはおそらく来年は継続して行われていく。
しかし再来年はどうなっているかはわからない。
もちろん、ずっと続いていって欲しいとは思う、どうなるかは彼ら次第である。

ただ、彼らの心の中には、私がサッカーを通じて伝えたかったことや考えなどが、残り続けてくれるだろう。

そんな活動が終わろうとしている、ある日の朝に、
「ゲンタ!今日も夕方17時から練習があるんだ!今日も来てくれるの?」
と7歳の少年が言ってきた。


感動的だった。

彼の練習の様子を見るために何回かグラウンドに足を運んだことがる。
しかし、練習を指導するのは小学生指導者であり、私はいつも見ているだけ。

そんな私に対して「来てくれるの?」と言ってくれた。

エチオピアに来て初めて「必要とされている」と思うことができた。

自分のやってきたことは間違いなかったと確信できた瞬間だった。

a0223909_16291121.jpg
a0223909_16275923.jpg
a0223909_16304098.jpg

a0223909_16311463.jpg

[PR]
by jocvethiopia | 2012-06-28 18:00 | 活動

活動の理解

 僕がエチオピアに派遣されてもう一年と8カ月が過ぎました。最近になってようやく同僚が僕の活動を理解してくれ始めました。最初はただの理科室の変な外国人でした。しかし、ここにきて彼らが自分で僕の仕事の引き継ぎをし始めたのです。今までは全て僕に任せきりだったのに、帰国が近づき少し焦り出したようです。

 先日僕の任地で教員対象の化学セミナーを開催することになりました。いつもはボランティアが講師となってセミナーを行うのですが、この時は同僚にも「講師役をやってみてくれないか?」と依頼してみました。今までは頑張れの一言だった同僚もこの時は、「もちろん!」と快く返事をしてくれました。さらには自らアイデアまで出してくれたのです。

このセミナーは僕が教育事務所と始めた物でした。なので事務所との連携は出来ていたのですが校長への報告が直前になってしまったのです。その件で校長は自分を無視されたと思い怒ってしまいました。これは当然の結果だと思います。自分の学校が会場なのに開催一週間前にそのことを知らされる。これは僕のミスでした。この時校長を説得してくれたのは、講師役として出る予定の同僚でした。

「セミナーに関して校長に報告しなかったのは彼(僕)のミスである。しかし、このセミナーは絶対地元の先生たちの為になる!だから中止にはしないでほしい!」

このようなことを言ってくれたのです。この時は本当に嬉しかったです。この時ほどこの学校に来てよかった、今まで活動していて良かったと思えた事はありませんでした。同僚の必死の説得で校長もセミナーに理解を示してくれ開催できることになりました。さらに校長は休憩時間中のお茶まで用意してくれたのです。同僚の必死の説得のおかげです。

いろいろ準備してきましたが、セミナー開催の三日前に突如同僚から残念な知らせが来ました。それはセミナーに出られなくなったということでした。なんでもセミナーの日に教員組合の会合があり、そっちに絶対出なければならないのだとか。どうしようもない理由ではありますが、しかしこれは僕にとっても同僚にとってもとても悔しい結果になりました。初めての同僚とのセミナーだったのですが…でも彼らは道具の収集や、理科室のアレンジなど多く事を手伝ってくれました。

今回同僚と一緒にセミナーを開催することはできませんでしたが、同僚の理解を初めて感じ、活動していて良かったと思えるイベントでした。

a0223909_15245238.jpg

[PR]
by jocvethiopia | 2012-06-17 18:00 | 活動

[任地・配属先紹介]アジスアベバ 理数科教師

私の配属先の小学校は、首都アジスアベバ市内のKirkosサブシティーにあるウラエルという地域に位置します。
街中に近く、学校前の通りから地区の中心のウラエル教会までの数100mには雑貨屋・八百屋・家具屋などを中心に並んでおり、人通りが常にあります。
またその教会近くには照明屋・衛生設備屋・外国人向けのスーパーもあり、不自由さは感じません。ただ学校周辺も建設ラッシュのようで、ここでも貧富の差が広がっています。

a0223909_17432727.jpg
a0223909_17454874.jpg


さて配属先についてですが、Grade0、Grade1からGrade8(日本の幼稚園年長、小学1年生から中学2年生に相当)合わせて580名余り、先生は40名程度とアジスアベバ、いやエチオピアの中でもかなり小規模な学校です。そこで私はGrade7とGrade8の理科教師の一員として活動しております。
しかし実際には教壇に立って教える機会はほとんどなく、主に同僚教師たちの授業や実験のサポートを担っております。
少し寂しい気持ちもありますが、でも言葉の壁やエチオピアの将来を考えると、エチオピアの先生たち自身がエチオピアの生徒たちに対して教えるこのスタイルが一番良いと最近感じています。

a0223909_17512641.jpg
a0223909_175356100.jpg


首都の中では珍しく緑が残る、木々に囲まれたこの学校で残りの任期、彼らと共に成長していきたいと思います。
[PR]
by jocvethiopia | 2012-06-08 18:00 | 任地・配属先紹介

教育革命

エチオピアのほとんどの学校の壁には、絵が描かれている。そのほとんどが教育的なものである。心臓の絵、人体の絵、英語のアルファベット、その学校によって描かれているものは様々である。たまに格言的なことも書かれている場合がある。
ある日、私が訪れた小学校の壁で見つけた言葉。

a0223909_1111034.jpg


“Be first! Don’t be second. Second is last so work to be first.”(一番になれ!2番は最下位と同じ。だから一番になれるように努力しろ。)
少し意訳したが、おそらく言いたいことはこのようなことだろう。エチオピアの教育全てとは言わないが、多くはこの言葉のように、結果が全てで、過程を考慮しない傾向がある気がする。


 私はエチオピアで体育隊員として活動している。一人任地で言語もろくに話せず、右も左もわからないまま、あっという間に時が過ぎていった。グレード9と10(日本の中学3年生と高校1年生)が通う新しい学校には、現地の体育教師はいない。相談をする相手も近くにいなく、マンパワーとしての活動に疑問を感じていた。
そんなボランティアに対する生徒からの容赦ない文句、態度。何度も途中で授業を切り上げ、生徒が謝りに来るのをじっと職員室で待った。誰も謝りに来ない。なぜボランティアが授業を放棄したのかわかっていない。結局、1年目は彼らに何も教えることができなかったと反省した。

そして、2年目が始まった。配属先はボランティアにエチオピア人体育教員の同僚をつけることを約束してくれたが、見つけることができず、また一人で全学年・クラスを受け持つことになった。私の活動はマンパワーではあるが、少なくとも配属先の生徒たちに私が伝えたいことは伝える努力をしようと決めた。

今回は前年度の反省を踏まえ、体育を通して、生徒たちに社会性を伝えることを目標に授業を組み立てた。理論の授業では、グループで話し合わせ、エイズ患者に対する差別・偏見についてのロール・プレイングを取り入れ、生徒に考える機会を与えた。実技の授業では、毎回必ずグループワークを取り入れ、生徒の協調性を刺激するよう努めた。

しかし、出欠を採る際に、ズルをしたり、ボランティアの話を聞かなかったり、教室の中ではおとなしい生徒だが、外に出ると収集がつかなくなる。1年目は、ボランティアの言うことを聞かなかったり、ズルをした生徒は容赦なく減点していた。減点された生徒は、素直に言うことを聞くようになった。しかし、この方法だと、生徒自身は何も変わらず、ボランティアの目を盗んで再びズルをし、それを繰り返すだけだと悟った。

そこで、毎回の授業で導入とまとめの部分で社会性・モラルについて説くようにしてみた。ボランティアが重要だと思ったことは“思いやり”である。クラスメイトを思いやれば、協調性が養われ、教員(ボランティア)を思いやれば、話を聞くようになるだろう。毎回の授業で、必ず最低一人は思いやりのない行動をとる。その時に授業を止め、その生徒のとった行動が正しかったかどうかを全員に確認する。もちろんほぼ全員が間違いだと指摘する。そうするとその生徒は恥じることを避け、同じ過ちは繰り返さなくなる。

初めはこの“思いやり”Think for others!「他者を思いやれ!」とだけ、実技でボランティアが使っているホワイトボードの裏に貼り、繰り返し、毎時間確認していくと、生徒も「Think for others」とお互いを指摘し合うようになっていった。

a0223909_111514.jpg


そこで他の社会性も学ばせようと思い。ボランティアが伝えたかったことや社会性のキーワードを追加するようにした。多くの生徒がズルをしたり、テスト中もカンニングをし、平気でうそをつくから、“正直者になれ!”Be honest!、暑い日差しの中、運動することを嫌い、文句を言う生徒たちに、我慢することも重要だと伝えたかったから、“忍耐強く!”Be patient!、これも思いやりに含まれると思うが、自分ができたら終わりではなく、できない生徒に指摘をしてあげてほしかったから、“教えあえ!”Teach each other!、できないことがあるとすぐ諦めてしまうから、“努力しろ”Make an effort!、Don’t give up!と、授業毎に一つずつ追加していった。

a0223909_1123192.jpg


これだけを伝えるためだったら、道徳の授業をすればいいのだが、体育の授業を通して、実際の活動の中でこれを体験するのが大切だと思う。頭がいい悪いではなく、運動神経がいい悪いでなく、常に他者のことを思いやる優しい青年であってほしい。私の授業からいくつ生徒が学んでくれたかはわからないが、一つでも多くの社会性を身に着け、立派な大人になってほしいと願うばかりである。

“You don’t have to be first, but always think for others.”
[PR]
by jocvethiopia | 2012-05-29 17:36 | 活動

[任地・配属先紹介]ウォライタ・ソド 村落開発普及員

首都アディスアベバから南西へ330㎞、公共バスで約7時間。
南部観光の目玉であるエチオピアの少数民族と出会えるアルバミンチ、ジンカへ続く道の中継点に位置する南部諸民族州ウォライタ県ソドが私の任地です。

エチオピア帝国に征服されるまでウィライタ王国の王都として栄え、今でも交通の要所として多くの人々が往来しています。


福井県ほどの大きさのこのウォライタ県には170万の人々が暮らし、私の配属先であるウォライタ県水事務所は県下12郡の村落給水を担っています。
エチオピアはサブサハラでも給水率が低く、地域について言えば、給水施設の稼働率が低いことも原因の一つです。既存施設の維持管理を促進するために、利用者、行政の双方からその底上げに取り組んでいます。
a0223909_202466.jpg





せっかくなので、町自慢を3つ。

a0223909_204928.jpg

ウォライタ名物の「ゴーマン・バ・シガー」(※ ほうれん草とお肉を炒めたインジェラ用のおかず)。
「コチョ」と呼ばれるバナナに似たエンセーテのでんぷんで作るプルプルのおせんべいと合わせて食べると格別です。
ちなみに、プロテスタントが大半を占めるこの地域では、田舎ながらオーソドックスの断食日(水・金曜)にもお肉を食べることが可能。
運悪く(?)断食期間にエチオピアを訪れたお肉好きな方は是非訪ねてみてください。県境に湖もあり、お魚も手に入ります。



a0223909_212895.jpg

南部諸民族州の州旗にも描かれている伝統家屋を到る所で見かけることができます。
ちなみに、そこで出されるのは塩コーヒー(※ お砂糖の代わりに塩を添加)。
中心街を離れるとお砂糖よりも好まれて飲まれているため、口にする機会は多いです。最初は泣きそうな味でしたが、慣れればおいしく感じてきます。
その他、民家ではコーヒー豆の皮やショウガ、とうもろこしなどを煮出して塩とバターを加えたものが出される時もあり、日差しが強い乾季の塩分補給に役立っています。



a0223909_215829.jpg

ウォライタの証。
腰を中心とした踊りが特徴です。ちなみに、ここの母語はウォライタ語。
エチオピアの公用語はアムハラ語なのでバイリンガルは当たり前。頭が下がります。



以上、3つ紹介しましたが、町のシンボル・ダモタ山や、標高差400mを誇る町の中心道路をぼってりと這い上がるかわいい6~10人乗り三輪タクシーなど、まだまだ挙げればきりがありません。
観光地とは言えませんが、もし機会がありましたら、是非お立ち寄りください。
[PR]
by jocvethiopia | 2012-01-02 06:00 | 任地・配属先紹介

11ヶ月で見えてきたこと

今日12月11日をもって私はエチオピアに派遣されてちょうど11ヶ月が経った。振り返ってみるとあっという間でした。

協力隊エチオピア派遣のボランティアでエチオピアを紹介しようという動きになり、せっかくなので僕も自分の活動を紹介しようと思います。

僕はエチオピア北部アムハラ州メラウイという小さな町の高校で,Grade11と12の生徒に体育の授業を行っています。Grade11は20クラス中6クラス、Grade12は17クラス中5クラス計11クラスが私の担当です。1クラスの平均生徒数は48人程度。約50人の生徒を束ねるのはなかなか至難の業です。

日本人が派遣されていて授業を担当すると言うことで、僕はすっかり歓迎されているもの、何か言えばすぐに吸収しようとするハングリー精神が途上国にはあるものだと勝手に想像していました。



が、現状は…

向上心は強い。けど現状を改善しようとする動きはカメより遅い。
新しいものに興味はある。 でも表面上だけ興味があって中身や過程には全く興味なし。
日本人の考え方や技術をやたら褒める。しかしそこから学んで実践しようとはほぼしない。

ってな感じでした。とにかく自分たちの信じたことにいい意味でも悪い意味でも頑固です。

てわけで生徒とは考え方の違いでぶつかることもしばしば。つい先日もありました。

教室内での授業時、私は教科書を全員持ってくるように指示しました。エチオピアのスタンダードは、受験科目以外の教科書は学校に持ってくる必要がないと言うもので、そこに摩擦が生まれました。

翌週教室に行ってみると約50人中教科書を持ってきたのはたった10人程度。どのクラスもその程度で授業になりませんでした。ただ数10グラムの教科書を持ってきさえすればいいだけ。僕には理解出来ませんが生徒の中からは様々な意見が出ました。

「重い。」
「3人に1人あれば十分。」
「教科書は必要ない。」

などなど。あきれるものばかり。思わず教室を出ました。

他の先生や校長などに説明をし、なんとか全クラス全員教科書を持って来させることに成功しました。するとどうでしょう、生徒は楽しそうな笑顔を浮かべ生き生きと授業に参加するように。僕のやり方が生徒たちの経験したことのない講義スタイルで、それがうまくハマったようでした。帰り際に、

「先生、悪かったあんなこと言って。先生のやり方最高だよ!」

と。正直本当に嬉しいですがもっと早く動けよ。ってのが本音です。

わかってくれてからは生徒も本当に協力的で、次はどんなのを出してくるんだろうと言った感じで僕の講義を楽しみにしてくれています。

ここでの活動は、いかに自分の考え方をすんなりと伝え、なおかつ興味を持てるように「魅せる」かが鍵になると思います。エチオピア人のツボはどこに隠れているかわかりません。これが約1年で見つけ出した僕のエチオピア人観です。

これから折り返し半分の活動が始まります。試したいことはたくさんありますが、それを受け入れてもらえるかは僕の「魅せ方」次第。もし機会があったらまた紹介します。

a0223909_2228572.jpg

[PR]
by jocvethiopia | 2011-12-24 06:00 | 活動

[任地・配属先紹介]アジスアベバ  幼児教育

私の配属先はアジスアベバの北東、ハヤフレットという場所に位置しています。ハヤフレットという意味は数字の22を意味しています。ハヤフレットのほかにもアラットキロ(4キロ)シディストキロ(6キロ)という地名の場所もあります。

 ハヤフレットはアジスアベバの中でも交通の要所となる場所であるとともに、周囲には洋服店が立ち並び、隊員内では通称「竹下通り」とよばれています。アジスに住んでいる人なら必ず耳にした事のある地名でもあります。

 配属先はハヤフレットの交差点から5分ほど住宅街に入った場所に位置しています。そして、カバレ(地区の役所)、小学校、幼稚園が隣接しており、私はそこの幼稚園に赴任しています。
 中規模の幼稚園であり、年少から年長まで各2クラス、1クラスにつき30名ほどの生徒がいます。

a0223909_22215461.jpg


 規模の大きな幼稚園になると1クラス40人、50人が在籍している幼稚園もあると聞きます。

 エチオピアの幼稚園全体に言える事ですが、アルファベット、アムハラ語の読み書き、数字を覚える等、勉強中心の教育であり、遊びに関しては、あまり重点をおいていません。子どもと一緒にあそんでいると、疲れるし服が汚れるからやめなさいと言われた事がありました。


授業の形式は読み書き等の反復授業で、日本の幼稚園とは大きく違います。想像力や自分で工夫して考える力を育てるような授業は極端に少ないです。
ですが、先生方も自分で教材を作り、わかりやすく楽しい授業になるように工夫しています。教材作りなどは、先生から相談を受け、アドバイスをしながら共につくっています。紙や段ボール等の資材は日本のように簡単に手に入りませんが、小学校や商店などにもらいに行ったりして集めています。

a0223909_22223036.jpg


 毎週金曜日の午後から1時間ほど時間をもらって、先生方に集まってもらい折り紙の折り方や工作などをしています。先生方に見本になるようなものを作ってもらい、授業に取り入れてもらおうと思っています。今年度から始め、先生方も忙しく必ず時間がとれるとは限りませんが、今後も続けていきたいと思っています。

 今年度、教育省から出されたカリキュラムには遊びの重要性がが記載されていました。エチオピアの教育もかわってきています。そのような変革期にエチオピアにいられる事をうれしくおもっています。今後も日本での経験を生かし、少しでも役に立てればと思っています。
[PR]
by jocvethiopia | 2011-12-21 06:00 | 任地・配属先紹介


エチオピアに展開する青年海外協力隊(JOCV)・シニア海外ボランティア(SV)のページです。活動の様子や,生活・文化の紹介などの記事を掲載しています。


by jocvethiopia

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

ボランティア機関誌(Web版)

マスカル2013

カテゴリ

全体
任地・配属先紹介
活動
活動場所
生活・文化紹介
帰国隊員より
お知らせ
リンク集
時候の挨拶
その他
街・旅行情報
理科教育

検索

訪問者数 since 22Oct2011

アクセスカウンター

おすすめリンク
Ethiopia Bet
気になるエチオピア情報満載!コアな情報だってたくさん!

タグ

(41)
(36)
(34)
(23)
(19)
(11)
(10)
(10)
(9)
(9)
(5)
(5)
(4)
(3)
(3)
(2)
(2)
(2)
(2)
(1)

最新の記事

Ethiopia からこんに..
at 2017-10-02 21:39
Arba Minch, Ga..
at 2017-08-29 22:58
『理数科教育隊員』の活動紹介..
at 2017-07-02 20:22
木工隊員の日々
at 2017-03-30 23:27
「ここらでアビアディ行っちゃ..
at 2017-03-04 22:49

記事ランキング

ファン

ブログジャンル

海外生活
ボランティア

画像一覧

その他のジャンル