マスカル

 エチオピアの新年は9月ですが、新しい年を迎えて早々、西暦で言えば9月26日(年によっては27日)にエチオピア全土にあるエチオピア正教会が行う宗教行事がマスカル祭の前夜祭です(アムハラ語ではየመስቀል በዓል (Maskel Festival)

この行事は首都アディスアベバで行われるものが最も規模が大きく有名ですが、私の任地ボンガでも行われたので見に行きました。

この日の夕方、街の中心部でお茶を飲んでいると、美しい刺繍を施したマントを纏い十字架を掲げた聖職者たちと若者の歌い手の一行が行列していたので、教会まで後をついていきました。丘の中腹にあるまだ建設中の新しい教会の広場には、白い装束の大勢の信徒たちが詰めかけていました。

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アムハラ語で十字架を意味するマスカルは、キリストが処刑されたゴルゴダの丘から後年十字架が発見されたことを祝う行事で、始まりはA.D.4世紀までさかのぼるそうです。
 マスカル祭は出稼ぎに出ていた家族が家に帰ってきて、一家が揃う重要な機会でもあります。また、この行事の前には個人的な喧嘩や紛争のたぐいは解決され、すべてのエチオピア人が和解のもとにこの日を祝うといいます。

 この行事は広場の中心に置かれた、木の束と新年を象徴するキク科の黄色い花(マスカルデイジー)を集めて作った「ダマラ」と呼ばれる円錐形の柱を中心に行われ、ダマラの頂点には十字架が取り付けられています。ボンガの教会の敷地では、カラフルに着飾った聖職者たちや青年の歌い手たちがダマラの前で讃美歌を歌い踊り、周囲を埋め尽くした白装束の信徒たちは手拍子で応えます。

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クライマックスにダマラに火が放たれてダマラはあっという間に燃え上がり、セレモニーは終了です。これだけ見ると日本で正月に行われる、正月飾りを焼く「どんど焼き」と同じような一種の通過儀礼(正月飾りを焼いて新たな年に移行する)にも見えますが、言い伝えでは、火が燃えてその煙がたなびいていった方角が、十字架がある場所だとされ、ダマラに火を放つのは、十字架発見の物語を再現したもののようです。ダマラが焼かれて崩れ去ると頂点に取り付けられた十字架が倒れた向きを見て、その年の作物の出来を占うそうですが、残念ながらこの日は火が燃え上がったところで広場を離れ、一緒にいた同僚とさっさと食事に行ってしまい、このことを知ったのは後からです。(最後まで見ておけばよかった!)。
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 食事を終えて街中のホテルの外に出ると、子どもたちが手拍子で歌い、踊っていました。私の家の前にもやってきて歌っていました。こうして子どもたちはお祝いになると各家をまわって小さく燃えさかる火を囲んで歌い、お小遣いをもらって帰っていきます。この日、通りには夜遅くまで子どもたちの歌声が響いていました。街の周辺部の農村に住んでいて教会まで行くことのできない人たちは、各々が住んでいる場所でお祝いをするそうです。この日は新年の非日常を満喫した1日になりましたが、民族や性別、年齢に関係なくエチオピア全土でこのような行事を催すことに、違いを超えたつながりを感じました。



以下 言葉説明。

宗教行事
・中でもティグライ、アムハラ、オロミアと南部諸民族州が中心となる。ティグライではアディグラト(Addigrat)、ウェクロ(Weqro)、イデガ(Idega)、ハムス Hamus とエロブ(Erob)、アムハラではゴンダール(Gondar)、バハルダール(Bahirdar)、デブラマルコス(Debra Markos)、ラリベラ(Lalibela, ウォルダヤ(Woldaya)、デッセ(Dessie)、ダブラタボル(Dabra Tabor 及びデブラブラハン(Debra Brehan)が、南部諸民族州ではエンデベル(Endeber)、グメル(Gumer)、グンチェレ(Gunchere)、ドゥラメ(Durame)、 ウォライタソド(Walayta Sodo)、マアシャ(Masha)、ボンガ(Bonga)そしてガモゴファGamo Gofa)が中心となる。その他では、南ウェロ(South Wello)のギッシェン山(Mount Gishen)がこの祝祭の中心地である。

የመስቀል በዓል (Maskel Festival)
・各民族での呼び名は、ハディヤ(Hadya)、ウォライタ(Walayita)、ダウロ(Dawro)、ガモ(Gamo)が“Meskalaa”と呼び、カンバタ(Kambata)は“Masaalaa”、 イェム(Yem)は Heeboo”、 グラゲ(Guraghe)は Mesker”、 オロモ(Oromo)は Guubaa”もしくは“Meskalaa”そしてカフェチョ(Kaffecho 及びシェキチョ(Shakkecho は“Meshekerro”と呼ぶ。


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# by jocvethiopia | 2014-11-27 02:10 | 生活・文化紹介

2年で学んだこと

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2年の活動を終え、日本へ帰ります。嫌なことも、良いことも様々なことがあった2年間。
 
 今思い返してみるとどれも良い思い出だったように思います。

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 赴任当初、言葉もつたなく、何をやればいいかわからない日々が続きました。
前任者の使っていた理科室もすでになくなっており、新しい理科室が確保されるまでの
3
カ月はただひたすら先生が授業に使用する図を描くためだけに学校に行く日々が続きました。 学校に行って1日ボーっと過ごすこともおおかったです。

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 1年続けてみてもなかなか自分の仕事を見つけられず、やっぱり悩みました。
それまでの活動は実験室にこもる活動。それをやめて自分から前に出て行った時、壁にはぶつかりましたが、自分がやるべきことと足りないものが分かったように思います。

この2年間正直言ってうまくいかないことも多かったです。
結果として学校や地域に何が残ったのかと聞かれるとあまりうまく答えられません。
ただ、周りの支えと生徒の好奇心に原動力をもらって何とか頑張ってこられました。

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エチオピアで学んだことは2つ。

1つ目 『
Don`t be shy』

小さなことや何でもないようなこと。日本では何でもないようなことに対してもこちらではそんなことはなく、興味を持ってもらえました。サイエンスショーもそうですが、やってみて初めて自分に足りないもの、ここで必要なものが分かったような気がします。
結局何がうまくいくかなんて言うことはやってみなきゃ分からない。


2
つ目に『周りの協力の大切さ』

何か事をなすとき、どんな場合でも誰かの手を借りたからこそできたことばかりでした。そして、周りから学ぶことも多かったです。具体的な例を出しますと、理数科隊員からは言うまでもありません。理科以外でもいろいろな隊員の方に学ばせていただきました。幼児教育からもネタをもらったりしたこともありました。

エチオピアで生活してきたこの2年間。
本当にいろいろな人に助けられてばかりの
2年間でした。町の人には生活を助けられ、理科隊員や同僚には実験について相談させてもらい、そして皆様のおかげで本当に充実した2年間を過ごすことができました。

本当にありがとうございました。


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# by jocvethiopia | 2014-10-19 04:55 | 活動

エチオピアにて春を願う。


エチオピアでは、9月に新年を迎えます。
たっぷりと雨が降り続く冬が終わり、少しずつ太陽が光輝き 晴れの日が増え始める時、
そう、今エチオピアでは春まっさかり。

今日は、そんなさわやかな春もようにぴったりのエチオピアの春の歌を紹介いたします。
 
ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ
(おいで おいでよ おいで おいでよ。)
እንዳ መስካራም ወፍ ባራሸ እንዳ አሞራ
(ほら。あの9月の青い鳥も飛んでいる)

አይን ያስደስታል ተራራና ሜዳው ተራራና ሜዳው
(なんてきれいな景色だろう。 山々は青々と木々がしげり)
ያምንጨቹውሃ ሳሩልምላሜው
(小川には春のせせらぎが満ち満ちている)
እንዳ መስካራም ወፍ ባራሽ እንዳ አሞራ
(ほら。あの9月の青い鳥も飛んでいる)

ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ
(おいで おいでよ おいで おいでよ。)
እንዳ መስካራም ወፍ ባራሸ እንዳ አሞራ
(ほら。あの9月の青い鳥も飛んでいる)

በአበቦች ደምቀሽ አምረሸ ተውባሽ አምረሸ ተውባሽ
  በአደይ አበባ ደምቀሽ አጊጠሽ 
(かわいらしい きいろい春の花たちも より美しく着飾って)
እንዳ መስካራም ወፍ ባራሽ እንዳ አሞራ
(ほら。あの9月の青い鳥も飛んでいる)

ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ ነይ ብራ
(おいで おいでよ おいで おいでよ。)
እንዳ መስካራም ወፍ ባራሸ እንዳ አሞራ
(ほら。あの9月の青い鳥も飛んでいる)


この歌は、エチオピア小学校の6年生の教科書にのっているものです。歌詞の和訳は、私が同僚と話しながら、勝手に作ったものです。なので正確な和訳ではありませんが、こんな雰囲気の 春早くおいでよ。という、春を願う曲です。

メロディはイ短調。
ゆったりしていて、少しさみしげな品のあるやさしい曲です。

そんな ነይ ብራのうた。

エチオピアの歌の中で、あたしの1番好きな曲です。

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# by jocvethiopia | 2014-10-19 04:17


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