エチオピアの蜂蜜

 みなさん、こんにちは。南部諸民族州カファ地区で活動しているマーケティング隊員です。

日本は桜が散り、新緑豊かな季節を迎えている頃でしょうか?こちらカファは雨季の開始時期にきたのか、(特に深夜に)大雨が降る日が多くなってきました。雨季と聞くと、どんよりとした曇り空に泥の地面、とあまり良いイメージは持っていなかったのですが、天からの恵みを受けて日に日に開花する花々や、益々色鮮やかになっていく草木を見ると、「雨季も悪くないな」という考えに変わってきました。

カファの主要産業には、コーヒーと家畜に次ぎ、養蜂が挙げられます。カファでは主に2種類のはちみつが収穫されますが、4月は、その中で一番の収穫量を誇るシェフレラの花の開花季節です。

大きな大木に黄緑色の花を咲かせるシェフレラ

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養蜂は、自然と共存しながら現金収入を実現するのに有効な手段のひとつであり、カファには約3,500名が所属する養蜂農家ユニオンがあります。加え、エチオピア人ははちみつが大好きで、パンにつけて食べたり、タッジというはちみつ酒を自家製造したりするなど、その国内消費量は結構なものです。

養蜂農家のムルース

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青い作業着に身をつつんだ彼は、ボンガ(カファの行政都市)に住む養蜂農家のムルース。大学を卒業後、カファの行政機関農業局に6年勤めていましたが、一念発起し養蜂農家に転身。それは、「自然から得て自然にお返しする、という行動を通して自然を守る」という長年の思いを実行するためでした。

今回は、そんな彼に協力をもらい、エチオピアの伝統的なはちみつ収穫方法を紹介します。一緒に写っているピンクのシャツを着た男性は、同じく養蜂農家のゲタチョウ。彼は驚愕のスゴ技を持っています。その秘密は後ほど!

大木に吊るされた木筒

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エチオピアの田舎道を歩いていると、こんな風に大木に木の筒がぶら下がっている光景をよく目にします。

初めて目にしたとき、「あれは何だ?どうやってあんな高いところに設置できるんだろう?」と不思議に思ったものですが、これがエチオピアの伝統的なはちみつ収穫方法なのです。

伝統的な蜂の巣箱の作り方

STEP1 おそうじ

巣は木筒が2つに割けた構造をしています。まずは、火の熱とミツバチが大好きな匂いを放つオリーブやロングペッパーの葉で、昨シーズンからの汚れを落とします。ミツバチはとてもきれい好きで、清潔な巣にしか寄り付きません。

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STEP2 合体

バンブーの葉を割いて紐状にします。そして、2つに分かれた木筒を合体し、バンブーの紐で括ります。

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STEP3 包装

バンブーの葉で木筒を包んでいきます。そして、パリオという蔓でぐるぐる巻きにします。

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木筒の頭は、木筒中に雨や害虫が侵入しないよう、丁寧に梱包します。

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バナナの葉も追加し、丁寧に蓋をしていきます。そして、蔓でしっかりと結びます。

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木筒のお尻には隙間があいていますが、これはミツバチが出入りできる様に、わざと残してあります。

遠目ではただの木筒と思っていましたが、こんなにも丹念に作られていた事に、大変驚きました。そして、材料をすべて自然界から入手していることにも感服です。まさにエコ・ライフですね。

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STEP4 紐の装着

コンボという木の枝のように太く丈夫な蔓を木筒の中心に一巻きします。これが、大木に吊るされる際の紐になります。

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STEP5 お祈り

ミツバチが大好きな匂いを放つオリーブやロングペッパーの葉で煙を焚き、木筒のお尻から巣内に注入します。ミツバチがたくさん集まるようにと、祈りを捧げる瞬間です。これだけの労力を注いで設置しても、収穫期を終えてみると中身がすっからかん、ということもあるとか。だからこそ余計に、一つ一つの作業を丁寧に行い、木筒に祈りを込めるのです。

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STEP6 木登り

さて、ここでようやくゲタチョウのスゴ技の見せ所。木筒を吊るす木を定め、綱のような紐を用いて木登りを開始。その高さ、10メートル以上あるのではないでしょうか?1つの大木に8つの木筒を設置するので、枝の先まで足を延ばします。

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STEP7 設置

設置場所に到達後、下から木筒を引っ張り上げます。そして木筒内に雨が入らないよう、ミツバチ用の小さな隙間が空いた側を地面に向け、斜めの状態で固定します。ゲタチョウの姿、確認できましたか?

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これが、エチオピアの伝統的な収穫方法です。最近は、より効率的に収穫することが可能な地面設置型巣箱の普及も進められていますが、カファの養蜂農家の約75%が、今でもこの伝統的な手法ではちみつを収穫しています。こういう背景を知ると尚、その食品へのありがたみが増しますね。

ちなみにシェフレラの花からとれた蜂蜜はこんな色をしています。びっくりするほど甘くて美味しいですよ。

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日本で流通しているはちみつは加糖されていたり、熱処理が施されていたりと、天然の生はちみつを食する機会はなかなか無いと思います。インターネットで検索すると、エチオピアのはちみつを通信販売している会社もあるので、皆さんも是非一度、その味をご賞味ください♪

それでは皆さん、またの投稿の機会まで J


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by jocvethiopia | 2014-06-15 17:52 | 生活・文化紹介


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