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エチオピアのごみ事情

こんにちは。今回は、日々暮らしていて出てくる”ゴミ”について、お伝えしたいと思います。

私がエチオピアの今住んでいる町に来た当初困ったことの一つに、『ゴミの捨て方がわからない』、といったことがありました。
私の家の大家にどのように捨てたらいいか聞いてみたところ、下記とのことでした。

◆生ごみ(食物等)⇒敷地の外の草むらに捨てる
◆燃えるゴミ(紙、プラスチック類含む)⇒庭で定期的に燃やす
◆燃えないゴミ(金属、ガラス等)⇒???エチオピアは広いので外に捨てる、で問題ない

1年以上住んでいる現在、私は下記のようにしています。(下線部が大家の指示と異なるところです。)

 ◆生ごみ(食物等)⇒敷地の外の草むらに捨てる
 ◆燃えるゴミ(紙、ただしプラスチック類は含まない)⇒庭で定期的に燃やす
 ◆プラスチック類⇒回収中(処理に迷い、とりあえず保管)
 ◆燃えないゴミ(金属、ガラス等)⇒回収中(処理に迷い、とりあえず保管)

プラスチック類は、最初の数か月は、実は大家の指示のように紙等と一緒に燃やしていましたが、
その後、同じ敷地内に住むエチオピア人の高校生からプラスチックは燃やしても良いか聞かれたことがあり、改めて調べてみた際に、ダイオキシンは人間にはそこまで毒性は高くないという見解もあるみたいだが、100%問題ないと断定できる、十分信頼できそうな情報は見つけられず、以来、燃やすことは止めておき、”とりあえず保管”することにしています。
金属やガラス等のゴミも”とりあえず保管”していますが、約1年経っている今でも量はそれほど多くありません。こちらでは、物が多くないので、ガラス瓶やPETボトル等、割れていたり汚かったりしない限りは、即ゴミとはしないことが多く(エチオピア人が引き取ってくれたりする)、ゴミの量が少ないのかなと思います。

生ごみは、敷地の外の草むらに捨てていますが、食物由来であり分解されやすいだけでなく、すぐに犬や羊等、家畜がよってきて食べてくれる為、「うまくできているな~。」と感じています。
ただ、近所のアメリカ人ボランティアが、コンポスト(生ごみの堆肥化)を作っている為、
今度、自身の勤め先である小学校にコンポストを作ってもらい、生徒にとって教育の機会になるかもしれないので、そこに生ごみを持って行って捨てるようにしようかなとも考えています。
エチオピアのごみ事情_a0223909_7174739.jpg

私個人としては、このような感じで(一時しのぎで?)生活していますが、市町村や工場等、もっと大きな組織、コミュニティではどうなんだろうと思い、首都アディスアベバのゴミ処理を担当するオフィスに話を聞きに行きました。

アポイントなしの突撃で行ったにも関わらず、事務所員の方々からたくさんの話を聞かせて頂きました。

現在、アディスアベバ市(人口約340万人、2008年)のゴミは、全てアヤルテナという地域にあるゴミ処理場1カ所に集められているということです。
集める方法としては、市の各地域に設置されている大きなゴミ箱(8m3。ゲンダと呼ばれる)に、各家庭ゴミが集められ、この大きなゴミ箱ごと、定期的にトラックで回収していくとのことです。
エチオピアのごみ事情_a0223909_7185457.jpg

                ≪町で見られる大きなゴミ箱 ”ゲンダ”≫

これらゴミの到着先である、アヤルテナのゴミ処理場も見に行ってきました。
敷地内に入ることはできませんでしたが、日本のような処理を行う建物があるわけではなく、
広大な敷地が広がっていて、全体を見渡すことができました。
穴を掘っているショベルカー、たき火のようにゴミを燃やす人々、ペットボトルやプラスチックバッグ類を集める人々がいました。
後で事務所員に聞いたところ、日本のようなゴミ焼却施設はなく、ゴミの種類によって単純に燃やし、その後、埋め立てる場合や燃やさずに単純に埋め立てる場合、また、一部PETボトルやプラスチックバッグ、金属等は、市場や工場へ再使用(RecycleではなくReuse)する為、集めているとのことでした。

この処理場の近くに配属先がある一緒に行った隊員の話では、時々、配属先にいてもゴミの悪臭が漂ってくる時があるとのことで、今回も処理場に近づくにつれ、耐えられない程ではないものの、悪臭がしてきました。
途上国のゴミ捨て場というと、そこで生活をしている人がいそうですが、雇われている作業者は多くいましたが、そこで暮らしているような人は見た限りはわかりませんでした。

ここの処理場、稼働し始めてから48年が経過しているそうで、別の場所で建設中のゴミ回収・処理施設(4カ所)が完成したら閉鎖するそうです。

たしかに・・物も人も増え、経済も少しずつ豊かになるにつれ、分解されにくそうなものを捨てる機会も増えてきていそうなエチオピアで、原始的な方法で、しかもたった1カ所で首都アディスアベバのゴミを処理していくのは可能なのか?と思っていたので、新しいところができると聞き、なるほどと思いました。ただ、そこでどのような処理ができるのか、どのようなメリットがあるのかは、聞けませんでした。

事務所員の方からは、今のエチオピアのゴミ処理関連の問題点として、産業廃棄物を処理する施設(技術)がないことや政府からの適切な予算や資材配分、訓練の実施が不十分なこと、道端や川にゴミが多く捨てられている現状や社会におけるゴミ問題の認知度の低さ等を挙げられていました。

うーん。産廃処理等が、専門機関がなく各々の団体任せなのは、まずい気がしますね。
何か処理のルール(基準)があって、それを守って皆がやっているのか・・どうなのでしょうか。
そういえば、産廃とは少し違うかもしれませんが、化学薬品も日本では燃やして有毒ガスを出すもの、重金属を含むもの等、いくつかの種類に分類して集め、専門業者に持って行ってもらい処理していますが、そういう仕組もなさそうな気がします。大学等の実験室ではそういう処理はどうしているのだろう?医療廃棄物も各病院に処理が任されているそうです。

ちなみにアディスアベバ以外では、ある程度の人口を擁する都市(7000世帯以上)の場合、国から補助金が出るため、アディスアベバのように、自治体としての回収システムがあるはずだとのことでした。

私の住んでいる町は、もう少し小さい町なので、回収システムはなさそうですが、時々町の人が自主的に掃除してくれているおかげか、ゴミが山になっているような光景は見ません。
また、近くに大きな工場等もなく、川や土壌、空気が汚染されていたりといったことは自身の身の周りでは気づきませんが、アディスアベバの空気が悪かったり、川が汚染されているといった話を聞くと、悪影響は既に場所により出ているのかなと思います。

エチオピアは、夏の軽井沢と言われるほど気候がよく、多くの地域ではダイナミックな草原とそこにいる多くの牛や馬等の家畜が見られます。良い気候、良い自然が残っていってほしいですね。
エチオピアのごみ事情_a0223909_721721.jpg

by jocvethiopia | 2013-09-28 00:00 | 生活・文化紹介


エチオピアに展開する青年海外協力隊(JOCV)・シニア海外ボランティア(SV)のページです。活動の様子や,生活・文化の紹介などの記事を掲載しています。


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